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奨学金の申請受付・手続きは業務委託がおすすめ!メリットと注意点を解説

公開日:2023.04.10

奨学金の申請受付や手続き等に関する業務は、外部事業者へのBPO(業務委託)が可能です。奨学金業務を委託するメリットや委託先を選ぶポイント、おすすめのBPOサービスについて紹介します。

奨学金の申請受付や手続きに関する業務に追われていませんか? 奨学金業務は個人情報を取り扱うデリケートな面があるため、「外部の事業者に業務委託するのは難しいのでは?」と考えていた方も多いかもしれません。

実は、奨学金業務は業務委託が可能です。今回は奨学金業務を委託するメリットや、委託先を選ぶポイントについて解説します。おすすめのBPOサービスにも触れていますので、ぜひ業務委託を検討する際に役立ててください。

奨学金業務の業務委託が注目されている理由

近年、奨学金業務を業務委託するケースが増えています。なぜ奨学金業務の業務委託が注目されているのでしょうか。主な背景として、次の2点が挙げられます。

奨学金制度利用者の増加

日本学生支援機構によれば、2020年11月時点で直近1年間に奨学金を受給した大学生(昼間部)の割合は全体の49.6%、大学院生は修士課程で49.5%、博士課程で52.2%にのぼります(※)。大学生・大学院生 ともに、約半数が奨学金制度を利用しているのです。

奨学金利用者の増加は、奨学金業務を担う職員の事務負担が増していることを意味します。奨学金業務全体の業務量が増えているために、大学などの教育機関内で事務処理を完結させるのが困難な状況になりつつあるのです。事務負担の軽減は、奨学金業務を業務委託する大きな目的といえます。

※独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果 」より

日本学生支援機構(JASSO)による学校情報公開

日本学生支援機構では、「学校毎の貸与及び返還に関する情報」を公式サイトにて公表しています。どの学校でどれだけの学生が奨学金制度を活用しているのか、誰でも簡単に調べられるのです。進学を検討している学生が、学校ごとの奨学金貸与状況を確認した上で進学先を決定することは容易に想像できます。

奨学金制度の利用者が少ないことが、学校イメージの低下や学生数減少につながる可能性も否定できません。結果として奨学金制度を積極的に紹介する学校が増えたことにより、奨学金を申請する学生も増加しているのです。こうして奨学金制度の認知度が高まったことも、奨学金業務の業務委託が注目されている理由の1つといえます。

奨学金の申請受付・手続き業務が負担になりやすい理由

奨学金業務は、学校職員の事務負担が増す原因となりがちです。そもそも奨学金の申請受付や事務手続きは、なぜ学校職員にとって負担になりやすいのでしょうか。奨学金業務に特有の事情を整理しておきましょう。

申請が同時期に集中する

奨学金には申請受付期間が設けられているため、受付期間中に申請が集中します。日本学生支援機構の奨学金であれば、受付期間は春と秋の年2回です。学生から受け付けた申請の事務処理を期限内に完了させる必要があることから、職員が長時間労働を余儀なくされる原因となります。

奨学金業務の繁忙期に臨時職員を増員する方法もありますが、窓口対応や申請書類のチェック、適格認定の区分確認、情報管理など、奨学金に関わる業務は多岐にわたります。すべての業務に対応できる職員を育成するには時間がかかることから、担当職員の負担を軽減するのは決して容易ではありません。学生数の多い学校であれば、なおさら担当職員の負担は多大なものになるでしょう。

申請書類の確認と不備への対応に追われがち

奨学金の申請時には複数の書類を提出する必要があるため、一点一点の申請書類を確認した上で、不備があれば訂正依頼などの対応が必要です。学生1人につき一度のやり取りで申請手続きを完了させるのは現実的に難しいため、申請数には表れていない担当職員の負担が生じている点を見落とすべきではないでしょう。

学生とのやり取りの回数が増えると、窓口が混雑する原因にもなります。学生は講義などの合間を縫って窓口を訪れるため、混雑が原因で書類の提出が遅れるケースもあるはずです。結果として、申請期限が迫った時期に提出する学生が増えるという悪循環に陥ることも考えられます。申請書類の確認と不備対応が煩雑になりやすいことは、奨学金業務が負担になりやすい大きな原因の1つです。

高等教育の修学支援新制度への対応が求められる

2020年4月より「高等教育の修学支援制度」が始まり、給付型奨学金の拡充など奨学金制度の活用を後押しする機運が高まりました。新制度の導入によって見直されたのは、主に次の3点です。

【高等教育の修学支援制度の概要】

  • 給付型奨学金の受給要件が拡充され、住民税非課税世帯の学生以外も受給可能となった。
  • 支給額が見直され、従来の月3万円から3万8,300円・年額約46万円に増額された。
  • 別途申し込むことにより、入学金と授業料の減免が受けられるようになった。

さらに、給付型奨学金の受給対象となった学生に関しては、適格認定の区分確認を毎年行う必要があります。新たに奨学金を申請する学生への対応に加え、区分確認のための業務にも対応しなければなりません。高等教育の修学支援制度への対応が求められることは、奨学金業務の負担が増した一因といえるでしょう。

奨学金業務を業務委託することで得られるメリット

ここまでに解説してきた通り、奨学金業務は職員の事務負担が増す大きな原因となり得ます。職員の負担を緩和するための措置として、奨学金業務の業務委託を検討するケースは少なくありません。奨学金業務を業務委託することで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。

受付窓口の混雑緩和につながる

奨学金業務を業務委託する大きなメリットの1つは、受付窓口の混雑緩和です。奨学金の申請受付期間に学生が受付窓口へ押し寄せ、長蛇の列をなすのを防ぐには、奨学金業務を学外に委託するのが得策でしょう。

とくに近年は学生とその家庭の収入減少に伴い、奨学金受給者は増加傾向にあります。下表は、平成30年度と令和2年度の奨学金受給状況を比較した結果です。

区分 平成30年度 令和2年度 増減
大学(昼間部) 47.5% 49.6% +2.1%
短期大学(昼間部) 55.2% 56.9% +1.7%
大学院(修士課程) 48.0% 49.5% +1.5%

独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果 」より

昨今の物価高により、今後さらに奨学金受給希望者が増加する可能性は十分にあります。奨学金業務を外部へ委託することにより、受付窓口の混雑緩和を講じるのは有効な対策の1つです。

業務の属人化を回避できる

奨学金に関する業務内容は多岐にわたる上に、ルールが毎年のように変更されます。職員各自が担当業務を把握している状況になりやすく、業務が属人化する原因となり得るのです。

限られた担当職員だけが業務内容を把握していることは、組織にとってリスク要因となります。万が一、職員の突発的な退職により担当者の交代を余儀なくされた場合、奨学金業務の安定的な運用が困難になることが想定されるからです。

奨学金業務を業務委託することで、属人的になりがちな状況を改善し、安定的かつ継続的な運用を実現しやすくなるでしょう。業務の属人化を回避できることは、奨学金業務を業務委託するメリットといえます。

DX化・ペーパーレス化に役立つ

奨学金の申請には、紙ベースの書類が多数必要です。業務の負担軽減を実現するための手段として、DX化やペーパーレス化を検討している学校も多いことでしょう。ただし、DX化・ペーパーレス化を推進するには新たにシステムの開発や導入を進める必要があります。コスト面や労力の面で、システム開発・導入そのものが負担になりかねません。

奨学金業務を業務委託することにより、大規模なシステム開発をしなくても申込サイトやオンライン手続きの仕組みを活用できます。すでにDXやペーパーレスに対応済みの事業者に委託することで、外部のリソースを活用できるからです。DX化・ペーパーレス化を低コスト・短期間で実現できることは、業務委託のメリットの1つでしょう。

学生の奨学金手続きを簡略化できる

オンライン手続きが実現することは、学生側にとっても大きなメリットとなり得ます。書類の準備や不備対応が簡略化され、窓口に出向く回数を減らせるからです。結果として申請手続きが迅速化するだけでなく、窓口の混雑緩和により期限が迫った時期に申請が集中するのを防げます。

申請手続き状況を随時オンラインで確認できれば、窓口や電話での問い合わせ件数も減少するでしょう。職員はコア業務に集中しやすくなり、長時間労働の緩和にもつながるはずです。このように、奨学金業務を業務委託することは職員・学生の双方にとってメリットを得られる施策といえます。

奨学金業務の業務委託先を選ぶポイント

奨学金業務を委託可能な事業者は多数存在します。ただし、どの事業者に委託してもよいわけではありません。奨学金業務は学生やその世帯に関する秘匿性の高い情報を扱うため、信頼できる事業者を選定する必要があります。奨学金業務の業務委託先を選ぶ際のポイントを押さえましょう。

奨学金業務に関する実績が豊富な事業者か

業務委託と一口にいっても、委託可能な業務は非常に幅広い領域にわたります。BPOサービス事業者であればどこでも委託してよいわけではなく、奨学金業務の実績が豊富な事業者を選ぶことが重要です。

これまでに奨学金業務を多数受託してきた事業者かどうか、具体的な実績を確認しましょう。実績が豊富なBPOサービス事業者であれば、すでにノウハウが確立されている可能性が高いと考えられます。反対に、奨学金以外の業務実績がいかに豊富なBPOサービス事業者であっても、奨学金業務の実績が少ない・まったくないといった状況であれば、委託は見合わせたほうが無難です。

運営体制が整っているか

奨学金業務に対応できる運営体制が整っているかどうかも、十分に確認しておきましょう。奨学金事業は、日本国憲法ならびに教育基本法、日本学生支援機構法などの法律にもとづいて運営されている教育政策の1つです。法令を遵守した安全な運営体制が確立されている事業者であることが確認できない限り、安易に委託するのはリスクが高いでしょう。

たとえば、専門家による監修がなされているか、個人情報を厳重に保護するためのセキュリティ体制が整っているかといった点は、とくに確認しておく必要があります。運営体制について不明点があれば、必ず確認した上で委託先として適切かどうかを検討してください。

自校の状況に合わせて柔軟な対応が可能か

自校の状況に合わせて柔軟に対応できるかどうかも、BPOサービス事業者を選定する際の重要なポイントです。一般的なアウトソーシングでは、業務の一部を切り出して定型業務として委託します。そのため、職員でなければ判断できない事項が含まれる業務に関しては委託が難しいケースもあるでしょう。外部に業務を委託したことでかえって確認事項が増えたり、業務の状況が把握しにくくなったりするような事態は避けなくてはなりません。

BPOサービス事業者がアウトソーシング事業者と異なるのは、現状の工程分析や業務分担の再構築なども含めてトータルで委託できる点です。既存の仕組みを改善することで、より効率的な奨学金業務の進め方を提案してもらえる可能性があります。業務フローの再構築も含めて、柔軟な対応が可能なBPO事業者かどうか慎重に見極めましょう。

エイジェックグループの奨学金業務BPOサービスの特徴

エイジェックグループでは、奨学金業務に特化したBPOサービスを提供しています。エイジェックグループの奨学金業務BPOサービスの主な特徴は次の5点です。

1. 奨学金業務BPOの豊富な実績

エイジェックグループでは、奨学金業務のBPOサービスとしてオンライン型奨学金サポートの仕組みをご用意しています。すでに奨学金業務全般をオンラインで実施した実績があるため、ノウハウが確立されており、学校ごとの状況に応じて柔軟に対応できます。

また、行政書士監修のもとで安心・安全な運営を実現していること、奨学金業務の実務経験がある元職員が在籍していることも大きな強みです。学校ごとに現状についてヒアリングを実施した上で、業務フローの作成や工程分析・改善活動の実施も含めたトータルなBPOサービスを提供できます。

2. ポータルサイト・電話窓口 ・オンデマンド型の説明会の実施

エイジェックグループの奨学金業務BPOサービスでは、情報の一元化に役立つポータルサイトの開設にも対応しています。学生が奨学金の手続きについて知りたいことがあれば、ポータルサイトを確認して必要な情報を得られるのです。窓口への問い合わせ件数を抑制し、職員の負担を軽減することにつながるでしょう。

また、学生からの問い合わせや保証人対応の電話窓口も併せて開設できます。学内で職員が対応する電話の件数を減らし、コア業務に集中しやすい環境を整えるために役立つでしょう。奨学金を申請する学生にとっても、必要な情報を素早く収集できたり、電話がつながりにくい状況を回避できたりするため、利便性の向上を実感してもらえるはずです。

さらに、動画ツールを活用して説明会をオンデマンド配信することにより、奨学金の申請希望者や検討中の学生がいつでも視聴できます。これまで説明会の場を設けていた学校にとって、会場の設営や学生への案内に要していた時間や労力を大幅に削減できるでしょう。

3. オンライン手続きによるペーパーレス化

奨学金の申請に必要な項目、書類のデータをオンラインで収集し、事前チェックを実施した上で申請手続きを進められます。下書き用紙をデータ化できるため、ペーパーレス化に寄与するでしょう。また、提出に先立ってチェック作業を実施することにより、書類の不備による煩雑なやり取りを減らすことにもつながります。

オンライン手続きに必要なシステム一式は、すでにエイジェックグループが完備しているため、学内で新たに開発・構築する必要はありません。スムーズな申請を実現するオンライン手続きの仕組みをスピーディに導入できます。

4. 動画Web会議ツールツールの活用による仮想窓口の実現

Web会議ツールを活用した仮想窓口を設置し、奨学金の申請に必要な項目、書類を双方向で確認しながら手続きを進めることも可能です。学校側にとっては的確な案内がしやすくなることに加え、やり取りの回数削減にもつながるでしょう。

対面型での対応が可能となることで、奨学金を申請する学生にとっても安心感を得られるはずです。学生サービスの質を下げることなく窓口業務を効率化できるため、学校・学生の双方がメリットを得られる施策といえます。

5. 学生対応履歴の共有

エイジェックグループと学生とのやり取りの履歴は、学校側とリアルタイムで共有できます。各種対応の進捗状況を随時確認できるため、業務がブラックボックス化するのを防げるのです。

奨学金業務を業務委託するにあたり、奨学金業務に携わることで得ることができた学生情報が把握できなくなることを懸念するケースもあるでしょう。対応履歴をリアルタイムで共有できる仕組みが整っていることで、学生の状況 が見えない・把握できないといった事態を防げます。奨学金業務の属人化を回避しつつ、学生の状況をきちんと把握できる環境を整えられるのです。

まとめ

奨学金受給者は大学・大学院ともに学生全体の約半数に達しており、年を追うごとに増加しつつあります。奨学金業務を担当する職員の負担が、今後さらに増していくことが懸念されることから、奨学金業務の業務委託を検討しておくのは有効な対策といえるでしょう。

奨学金関連の業務委託を検討されている学校関係者の皆さまは、エイジェックグループの奨学金業務BPOサービスを活用されてはいかがでしょうか。エイジェックグループでは、窓口混雑の緩和に繋つながるだけでなく、DX化・ペーパーレス化の推進や業務フローの標準化にも寄与するBPOサービスを提供しています。奨学金業務の負担軽減はもちろんのこと、業務フローの分析・再構築・改善も含めてトータルに対応可能なエイジェックグループにぜひお任せください。

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